第五章 ―罪と罰―

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  とりあえず、翔太は当然ながら即解雇となった。 そして、最終的に会社側から請求された金額は、200万にも上った…… まずは160万を解雇された三日後までに一括で支払え……と。でなければ警察に『業務上横領罪』で訴えると言われたらしい。 会社側が三日と言う無茶苦茶な期限をつけたのには理由があった。 会社の支払いがあるからだ。 業績が悪化しだしてからずっと、給料は月末締めで支払いは翌々月半ばまで待たないと支払って貰えなかった。 それでも家庭のある翔太はまだマシな方で、中には三ヶ月、四ヶ月と待たされている人も居た。 それだけ会社も切羽詰まった状況だったのだと思う。 我が家にあった全財産……大半が子供名義で、約40万。生活費や保育科として残しておいた10万。 110万も足りない……  
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