第一章 ―結婚―

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  単純に嬉しかった。 結婚への気持ちは固まっていたから、子供も早く欲しいと願っていた時の妊娠だったから…… この時悪阻に苦しみながらも仕事は続けていたけれど、新婚生活を始めるにあたっての新居を借りるのを、翔太に任せてしまった。 一緒に探しておけば……なんて思っても遅いけど。 妊娠が発覚する前に、翔太の前の職場仲間と遊びに行った事があった。 その時、彼はこんな大嘘をついていた。 「俺、マンション買っちゃったんだよね」 多分、翔太はその職場仲間にもずっと見栄を張ってきたのだろう。皆すげぇなって、疑ってすらいなかった。 私も単純で……馬鹿だった。  
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