第五章 ―罪と罰―

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  実は翔太が義父にお金を借りる為に話しに行った時、私も両親に電話でお願いをしていた。 答えはNO。 『あんたの気持ちも分かる。だけど、翔太くんからきちんと順序だてて話してから貸して下さいって言うのが筋』 最もだ。 だけど、翔太は口が裂けても私の両親に貸してくれなどと頭を下げない事は分かりきっていた。 翔太は、見栄とプライドだけは山のように高い。 特に私の両親に対しては嫌っているとかではないが、何かしら思うところがあったみたいだから余計に。 この時、翔太が義父からいくら借りられるかは分からなかった。 でも、少なからずそれなりに高いマンションに住んでいた義父。 百万くらいなら貸してくれるんじゃないかと、私も甘い考えでいたのは事実だ。  
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