第五章 ―罪と罰―

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  この時、翔太からかかってきた電話でこう言われた。 『借りられなかった。そんなん払わなくていいって』 義父に横領していた事実は告げずに、トラブルを起こして会社に損害を与えたと言ったらしい翔太。 悪意の過失でない場合、その損失の全部を個人が払う必要はないというのが義父の言い分。 でも『横領』は間違いなく『悪意の過失』だ。本来ならば全てをさらけ出すべきなのだが、翔太は自分自身が一番大切だったのだと思う…… 「お金どうするの……?」 『…………』 「どうしても借りられない?」 『もっかい話してくる』 実際にどんなやり取りが為されたのか、私は知らない。 だけど、何とか30万貸して貰える事となった。  
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