第五章 ―罪と罰―

15/18

4332人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
  支払い期限当日。 私は仕事の昼休み中に、残りの30万をキャッシングした。 そして、子供達の通帳とキャッシングしたお金を翔太に渡した。 「本当にごめん。ありがとう」 そう言って、翔太は160万のお金を振込みにいった。 このお金は確かに会社に支払われていた。振込み用紙を確認したから間違いはない。 そして、翔太はそのまま仕事の面接に行った。 それは……キャバクラのボーイ。 『昼だとどうしても給料が低くなるし、解雇されてるからきっと雇って貰えない。とにかく早く働いて借金何とかしたい』 以前、翔太の友達がキャバクラでボーイをしている話しを聞いて、私は絶対に嫌だと言っていた事があった。 だけど、今は仕方ないんだと自分に言い聞かせていた。若い女の子がたくさん居て、また浮気されるかもしれないという不安に無理矢理蓋をした。 この時、既に不倫してたなんて思ってもいなかったよ…… それから最後まで翔太の誠意を感じる事はなかった。どこまでいっても嘘ばかり……。 離婚した今となっても、何も変わらないんだね。  
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4332人が本棚に入れています
本棚に追加