第六章 ―義姉と義兄―

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  翔太は3人兄弟の末っ子だった。5つ上の兄と、7つ上の姉がいる。 そして、皆同じ市内に住んで居たのだ。 出身がそこだったからではなく、最初に結婚した義姉夫婦が居を構えたのがS市だった。 そこに翔太と私、次いで義兄夫婦、最後に義父と次々に集まったのだ。 私は義姉夫婦も義兄夫婦も大好きだった。それは離婚した今でも変わらない。 私が一人もがき苦しんでいた時、両親と同じくらい……それ以上に助けてくれたのが翔太の家族だった。 感謝してもしきれないくらいで、本当に優しい家族がそこにはあった。 「これからもずっと大切な妹だからね」 離婚が決まり、実家に帰る事になった私にそう言ってくれた。そして、何度もごめんねと謝ってくれた……    
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