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このタコ!
うるせぇ。
うざい。
このクソ女。
キモイ。
早く実家帰れ。
翔太からのこんな暴言が続いていた。
加えて知らないところでお金を使っていた事などから、私も本当に限界に近付いてきていた。
本気で離婚を考えだしたのがこの頃だったように思う。
でもどんな父親であれ、子供たちにとってはたった一人のパパ。
子供たちのことは可愛がってはくれる。子供たちもパパが好きだった。
離婚は最終手段。
だけど、その時は遠くはないかもしれない……だから覚悟を決めておこうと考えた。
そして12月の初め、ある出来事があった――
私達の状況を見兼ねた義姉と義父が、翔太とちゃんと話をして説得しようとしたのだ。
翔太の職場は自宅の最寄り駅のすぐ傍で、みんな近かった。
まともに話そうとしても、翔太が姿を現す事はないと誰もが分かっていた。
だから、義姉と義父は営業が始まる前の翔太の職場に直接足を向けたのだ。
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