第六章 ―義姉と義兄―

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  このタコ! うるせぇ。 うざい。 このクソ女。 キモイ。 早く実家帰れ。 翔太からのこんな暴言が続いていた。 加えて知らないところでお金を使っていた事などから、私も本当に限界に近付いてきていた。 本気で離婚を考えだしたのがこの頃だったように思う。 でもどんな父親であれ、子供たちにとってはたった一人のパパ。 子供たちのことは可愛がってはくれる。子供たちもパパが好きだった。 離婚は最終手段。 だけど、その時は遠くはないかもしれない……だから覚悟を決めておこうと考えた。 そして12月の初め、ある出来事があった―― 私達の状況を見兼ねた義姉と義父が、翔太とちゃんと話をして説得しようとしたのだ。 翔太の職場は自宅の最寄り駅のすぐ傍で、みんな近かった。 まともに話そうとしても、翔太が姿を現す事はないと誰もが分かっていた。 だから、義姉と義父は営業が始まる前の翔太の職場に直接足を向けたのだ。  
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