第六章 ―義姉と義兄―

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  本来なら夫婦の事に口を出す事ではないのかもしれないけれど、翔太がいろいろ話してくれた過去の話を義姉と話してみて、義姉が一度親兄弟のみで話し合う必要があると判断した為だった。 翔太の中学生や高校生の時の話……。翔太本人から聞いたことと、義姉から聞いたことは大きく食い違っていた。 翔太は高校生の時は家出をしていて、自分で学費を稼いだりしながら極貧の生活を送っていた……と話していた。 だけど、実際は何日か家に帰ってこなかった事はあるが、決して家出をしていたり、まして一人で生活していたなんて事実はなかったそうだ。 もう今まで聞いた話しの何が本当で何が嘘か、全然分からなくなった…… 何故翔太がこんな風になってしまったのか。 私と出会うより前に原因があり、それを何とかしないといけないと義姉は考えた。 もう私一人ではどうにもならない状況にまで追い込まれていて、私は最悪の結果も想定しつつ義姉に任せたのだ。 この判断が良かったのか間違っていたのかは、私には今でも分からない。  
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