第六章 ―義姉と義兄―

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  そして、その日の翔太の仕事が始まる頃……私は時間をずっと気にしていた。 そして、義姉たちが職場を訪ねると言っていた時間を少し回ったところで、突然の翔太からの電話。 何となく内容は予想がついた。どちらにしろ時間的に良い電話ではない事は確かだろう。 出たくなかった……。また怒鳴られるのは分かりきっていたから。 それでも、出るしかないのも分かっていた。 「もしもし……?」 「おい!てめぇ親父と姉貴に何話したんだよ!!」 「何って……」 「しかも、勝手に職場までしゃべってんじゃねーよ。マジ最悪」 「…………。今どこ?」 「とりあえず一回帰る」 「はい……」 電話の後ろでは、義姉の泣き声と、義父の怒鳴り声が聞こえていた…… 翔太は2人から逃げようとしていたんだと思う。 後に義姉から聞いた話によると、この時翔太は義姉に罵声怒声を浴びせ、殴る蹴るまではいかずとも突き飛ばす様な事をしたらしい。 直接どんな事を言われたかまでは聞いていないが、義姉が怖くてもう翔太とは直接会いたくはないとまで言っていた。 そして、私には暴力はないのかをとても心配してくれていた。 それだけ酷い事をしたのだと思う……  
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