4332人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
そして、その日の翔太の仕事が始まる頃……私は時間をずっと気にしていた。
そして、義姉たちが職場を訪ねると言っていた時間を少し回ったところで、突然の翔太からの電話。
何となく内容は予想がついた。どちらにしろ時間的に良い電話ではない事は確かだろう。
出たくなかった……。また怒鳴られるのは分かりきっていたから。
それでも、出るしかないのも分かっていた。
「もしもし……?」
「おい!てめぇ親父と姉貴に何話したんだよ!!」
「何って……」
「しかも、勝手に職場までしゃべってんじゃねーよ。マジ最悪」
「…………。今どこ?」
「とりあえず一回帰る」
「はい……」
電話の後ろでは、義姉の泣き声と、義父の怒鳴り声が聞こえていた……
翔太は2人から逃げようとしていたんだと思う。
後に義姉から聞いた話によると、この時翔太は義姉に罵声怒声を浴びせ、殴る蹴るまではいかずとも突き飛ばす様な事をしたらしい。
直接どんな事を言われたかまでは聞いていないが、義姉が怖くてもう翔太とは直接会いたくはないとまで言っていた。
そして、私には暴力はないのかをとても心配してくれていた。
それだけ酷い事をしたのだと思う……
最初のコメントを投稿しよう!