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この時の生活を乗り切れたのは、義姉夫婦の助けによるものだった。
これからの事を話すために、義父と義姉とある喫茶店で話していた時……
話の区切りがついた頃に、スッと義姉が封筒を差し出してきたのだ。
「とりあえず、これで生活して?」
「え……いや、でも……」
「いいの。それはちゃんと後から翔太に返してもらうから」
「…………」
差し出された封筒をジッと見つめていた。けれど、私はそれに手を伸ばす事が出来なかった。
これ以上、義姉たちにこんな風に迷惑をかけたくなかったのだ。
多分、義姉もそんな私の気持ちは痛いほど分かってくれていたんだと思う。
「遠慮しないでって言っても無理かもしれないけど、今は子供たちの事だけ考えてあげて?」
そうやって義姉、義父からも何度も言われて本当に情けなく思いながらも私はそのお金を借りる事にした。
こうやってお金を貸して貰えた事はすごくありがたくもあり、同時にすごく辛いことでもある。
だけど、翔太はこの事実が分かった時、一方的に私を責めた。
「何勝手なことしてんだよ!借りる前に言えよ!!夫婦なら先に俺に話すべきだろうが」
翔太……あなたにとっての夫婦って何だったんだろうね?
多分、翔太が激怒したのは、お金を借りるなんて自分がみっともないって思ってたから。
家族から借りるくらいなら、消費者金融や給料の前借の方がマシだと思ってる人だったから……
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