第六章 ―義姉と義兄―

17/21

4332人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
  そのお守りは、結局翔太に直接渡すことはなく、引っ越しの時にまとめて置いておいた荷物にソッと忍ばせてきた。 そして、翔太との関係が悪化する事も良くなる事もないまま2週間が過ぎた。 この頃、あまりにお金がなく金銭的な問題で、翔太の生命保険と子供たちの学資保険も解約する事で話を進めていた。 保険を決める時も、翔太は関心もなく、わからないから任せると言うばかりで私が殆ど決めた。 けれど契約や解約はやはり本人立ち合いでなければ出来ず、その為に家に帰って来て貰う日にちなどの段取りを進めていた。 その日、翔太は私のメールを勘違いしたのか、解約手続きがあると思ったと帰って来た日があった。 解約の日はその一週間後だったけれど、曜日でしか覚えてなかったみたいだ。 この日の夜、離婚がほぼ確実になる出来事があった――    
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4332人が本棚に入れています
本棚に追加