第六章 ―義姉と義兄―

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  こんな騒ぎで子供たちが起きてこないはずはなかった。 2歳と3歳の我が子は、どんな気持ちでこの光景を見ていたのだろうか…… でも、この時はそんな事を考える余裕すらなかった。 結局あまりに酷かったらしい頭痛により、翔太は再度寝てしまった。 「ごめんね、寝よっか」 翔太が布団に入り、子供たちを布団へと促して寝かせる。 私はうつらうつらとしながらも、いろんな事を考えていた。 そして、明け方そっと居間へと行った私はPCをたちあげた。 『離婚協議書』 を完成させる為に……。 養育費に慰謝料は私一人では決められない。 仕方なく、翔太を起こしてその話をする事にした。 養育費はともかく、慰謝料の話となると翔太の機嫌は一気に急降下。 「何勘違いしてるか知らないけど、あれ店(キャバ)の女の子だし。別に俺は何も悪くないから慰謝料なんて払わない。っつか、こんな時に金、金……。こういう時に人間性って分かるよな」 もう、何を言い返す気力も残ってはいなかった。 今までどれだけ必死に翔太の借金を返してきたのか、その中で貯めてきた子供の貯金まで一瞬にして消えてしまったのに。 そう考えてしまう私は、人として卑しいのだろうか……? 家庭を顧みてくれない主に無償の愛を注ぎ続けられるほど、私は出来た人間じゃなかった……  
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