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『ハナ!!』
縁側にいたハナに声をかけた。
『誰?』
ハナを見た時、一瞬、僕は青ざめた。
『ハナ、その目…』
『その声…哲也ちゃん?』
その暴行の跡だろうか、ハナの唯一見えてた左目も、傷があり、腫れて見えなくなっていた。
『目…どうしたんだ?』
『転んじゃったの。』
そう言ってごまかすハナの優しさが、僕のお袖への怒りを茹で上がらせていた。
『…どれ、診てあげるよ。』
僕は医者だ、都会で目を中心的に眼科医学を学んで来たのだ。
『……哲也ちゃん?』
触診で触ると、かすかに目玉が動いていた。
『よかった。これなら僕が治せる。』
心が安心感に覆われ、いつの間にかハナを抱きしめていた。
『…本当によかった。ハナ、僕が目を治してあげるから…』
その2日後、僕はハナの目の手術をした。
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