とうりゃんせ。

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『哲也ちゃーん。』 僕を呼び止めた綺麗な声に急に止まった僕は、草に滑り転んで、しりもちをついてしまった。 『イテテ…』 『相変わらずなのね。』 くすくす笑いながら、彼女は手をさしのべてくれた。 『私の事、覚えてる?』 前髪を耳にかけながら、彼女は僕に視線を合わせてきた。 『…もしかして、お袖!?あのカッパ(おかっぱ頭)のお袖か!!』 『そうよ。』 あのカッパのお袖がこんなに綺麗になるとは思わなかった。 『…その、なんだ。』 綺麗で…僕は言う言葉も失ってしまった。
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