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Side秋山
病院に着くと、もう既に人は居なかった
ナースステーションの明かりが眩しいくらいで…俺はナースステーションにいるナースに声をかけた
『此処に運ばれた神崎直は何処だ…』
『神崎直さんは4階の402号室ですよ』
ナースの天使のような微笑みには目もくれず俺はサッサと歩き出す。勿論背後にはヨコヤがちゃんと居て。…まあ、居なくても良いんだが
『秋山君、病院では静かにですよ』
『それくらい分かる』
『足音が大きすぎます、周りに迷惑です』
ヨコヤに言われ、気づいた。足音しか聞こえないこの空間では喋ってなくても足音は響く。完全に俺が悪い
『……』
俺は押し黙り、ペースを遅くした。ヨコヤは背後でクスクスと笑う。腹が立つ奴だ
俺は彼女に早く会いたい
天使の笑顔が早く見たい
早く会わせて欲しくて…
俺は知らないうちに
“自分”を見失っていた…
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