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『…お前はどうなんだ』
『私…ですか』
フンッと鼻で笑い、自分の白髪を撫でるように触れば俺をジッと見て
『私は、ファイナルステージでの彼女に惚れているのです』
『…?』
『彼女は、真実の赤リンゴを全部揃えてみせた。そして貴方を勝利へと導いた。良い勝負でした…こんな事なら私も参加したかったですよ』
『ファイナルステージを棄権したプレイヤーはお前だろ?ヨコヤ』
『ふふ、バレましたか』
お前みたいなプレイヤーが易々と負けるわけがないと言ってやれば俺はソファーに腰掛け、目を閉じた
『…眠いのですか?』
『いや、考え事をしているだけだ』
『彼女、カンザキナオさんの事ですか?』
ああ、と言っておけばそれ以来黙り込む
彼女は大丈夫だろうか…
相手が福永だとは言え安心は出来ない
居てもたっても居られない俺は立ち上がる
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