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Sideヨコヤ
全く…秋山君はカンザキさんの事になると少々感情的になってしまうようです
カンザキさんの家の電話だと言うのに私が取ってしまうはめになるだなんて…
『はい』
『ヨコヤかっ!?俺、俺!』
『……誰です?』
相手は分かっている。フクナガユウジ、カンザキさんとコンビニへ出かけたはずの彼が何を暢気に電話などかけているのでしょうね?
『ハァ!?ヨコヤ、頭大丈夫か!?』
『貴方に言われたくないですよ、フクナガ君。で、何の用ですか?今から秋山君が』
『大変なんだよ!!ナオちゃんが…!』
……………
私の全ての時間が止まった様に思えた
カンザキさんが…何だって…?
『ヨコヤ、ほっていくぞ』
わざわざ私を呼びにきてくれた秋山君。この“真実”言うべきか…言わぬべきか…
私は顔を引き攣らせ、泣きそうなのを必死に押さえ付けて…ゆっくりと、話した
『カンザキさんが…車に撥ねられて…』
ほら
君もそんな顔するだろう?
信じられないだろう?
でも、これが…“真実”なんだ…
『……かせ』
低い声、そして…
『受話器を貸せって言ってんだッ!!!』
やり場のない怒りを、ただ私にぶつけた
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