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私は秋山君に受話器を渡そうとしました。が、秋山君はまるで引ったくるように取って電話口に居る福永君に怒鳴るのです
『福永ッ!!』
『ぎゃっ!?あ、秋山!?』
『どこの病院だ』
『……〇×病院』
返事もせずにブチッと切れば『行くぞ』と一言呟き、部屋を出ていきました
『秋山君、冷静になってください!』
『煩い、俺は冷静だ』
『嘘をつかないで下さい、貴方のその目…絶対に冷静じゃありません』
ライアーキング、“嘘つき王”になった秋山君の嘘は誰にでも分かるくらいの嘘でした。彼女が…カンザキナオさんが彼を変えたのでしょう
『いくぞ、ヨコヤ』
『…私も、ですか?』
『彼女が好きなのに、行かないのか?』
冷たい眼差し、いつもの秋山君でした
『行きますとも。貴方だけに良い思いはさせませんからね』
相手をおちょくるように笑えば、彼もニヤリと不敵な笑みを浮かべ…彼女のアパートを後にしました
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