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402室…
『ッ…直!!』
ガラッと大雑把に戸を開け、俺は自分でも信じられないくらい焦った声で叫び中に入る。中には、福永と…彼女が…
『あ、秋山さん!』
……………は?
彼女はベッドに横たわっているものの元気そうに微笑んで俺の名前を呼んでいた。
『福永、どういう事だ?』
『いやさぁ、まさか轢かれたのに元気だとは思わなくてさ』
あっはっはと元気に笑うこのキノコが猛烈に腹立たしい。俺はニヤリと笑えば『借金地獄に陥れてやろうか?福永』と耳元で囁いた。
『はは、許してくれよ秋山…冗談キツイって…ははは…』
『この俺が冗談を言うと思ってるのか?悪いが本気だ、借金まみれに溺れてしまえ』
『あ、あぁ…やめてぇっ…ひいぃっ』
『秋山さん!止めてあげて下さい!』
彼女に止められ、俺はグッと我慢する
それを福永は利用してニヤニヤ嫌らしげに笑えば彼女の肩を抱き
『そういえば、秋山さっきナオちゃんの事さぁ~直って言ったよねぇ?』
『!』
しまった…口が滑った…
俺が押し黙っていると、彼女がこう言った
『フクナガさんも“ナオちゃん”って呼んでますし、秋山さんが“直”って呼んでも別に全然大丈夫ですよ!』
…この、馬鹿正直は天然でもあるらしい
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