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秋山さんは『なかなか綺麗にしてるな』と言ってリビングに座りこんだ。私は一応秋山さんはお客様だと思い、お茶とお茶菓子を用意しました。
『どうぞ』
『ああ』
お礼を言うわけでも無く、ただ頷いてお茶を啜っていました。そして秋山さんは私の目を見て『話の事なんだが…』と本題を切り出した。
『今日から此処に住ませて欲しい』
『え?こ、此処にですか?』
『そうだ』
頭が少し可笑しくなりそうになった。秋山さんが、此処に…住む?私と一緒に…住む?私は少し悩んだように俯きました。
『秋山さんは…』
秋山さんは真剣な顔をして私を見ている。多分冗談ではないようです
『私が…無理だと言ったらどうするんですか?秋山さんは』
『葛城に頼み、大学の一室を借りて住む』
『葛城、さん…』
私は既に答えが出ていたのに聞いてしまった事に後悔した。秋山さんと葛城さん、因縁が無くなった二人はプライベートで何度か会ってるようだった…。私はそれが無性に許せなかった…
『…良いですよ。一緒に住みましょう』
『そういうと思っていた』
秋山さんは意地悪な微笑みを私に向けて荷物を広げ始めた。この日から、私は秋山さんと住む事になったのです。
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