第2話:秋山の好きな物

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彼女は嬉しそうに持参の可愛い買い物カゴを揺らして御機嫌そうに俺の隣を歩く。 『御機嫌だな?』 『当たり前ですよ!父が入院してからは私、ずっと一人暮らしでしたから…』 寂しそうな彼女の横顔を見た。少し胸が痛い。彼女の泣き顔や寂しそうな顔は見てられない。俺の胸がキュッとなる。 『……』 『あ、そういえば秋山さんって好きな食べ物とかありますか…?』 流石機転が早い。彼女は俺を見てニコニコ笑いながらそう聞いてきた。俺の好きな食べ物…か。いつもコンビニだったりした俺は何が好きか分からない。 『……………』 『あ、秋山さん?』 『……………あ』 閃いた、俺の好きな物。味噌汁を中心とした和食なのである
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