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「そうか…でもどうして紙ひこうきなんか飛ばしたんだ」
壱瑠は少し顔を赤くしながら私に聞いた。
「誰でも良いから私の存在を知って欲しかったの…」
私はうつむきながら壱瑠の質問に答えた。
そう…私は家族以外の誰かに私の存在を知って欲しかった私がここに生きていたという印を残したかった。
「そうなのか…じゃあ俺がずっと覚えてるよ」
「ホント」
私は無性に嬉しくなって壱瑠に聞き返すように言った。
「ああ」
壱瑠はためらいもせずに返事をした。
「じゃあ約束の印」
私は服に着いていたリボンを外して壱瑠の手首に結んだ。
「おまえに会いに行く時は必ず結んで来るな」
「ありがとう…じゃあバイバイまたね…」
「ああまたな…」
私は壱留と別れた後白い霧の中にいた。
「ここまだ夢の中なのかな…」
「里…奈…」
しばらくすると兄の声が聞こえて来た。
「行かなきゃ…お兄ちゃんが呼んでる」
私は目を覚ますと兄は心配そうに見つめていた。
「どうしたの…お兄ちゃん…」
「どうしたのって…飯持って来たのに着替えもして無いでベッドに横になってるんだからビックリしたじゃないかそれにやっぱり具合悪かったんじゃないか」
「ごめんなさい…もう大丈夫だから」
私は兄に心配かけないように言った。
「解っただがくるしくなったりしたら言えよ」
「うん…解ってる…だから行ってお母さんに怒られるよ」
私は兄まで母に嫌われたりしたら嫌だという思いがはしった。
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