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「あれ…ここどこだろう…部屋にいたはずなのに…」
私は気がつくと真っ白の世界に1人座っていた。
「あれ…手紙持って来た子だよね」
私の背後から声がした。
「えっ…」
振り返ると壱瑠がいた。
「やっぱりそうだ…」
「えぇ~黒遙壱瑠…くん…」
「くんはいらないからそれよりもそっちの名前は」
「えっ…私は里奈…黒羽里奈…」
「里奈がやっぱりあの手紙を出してたのか」
「…」
私は少し恥ずかしそうにうなずいた。
「そっか…そんな所に座って無いで立ってどっか行こうぜ」
「無理だよ私立つことも歩く事もできないの…」
「ここは夢だからきっと大丈夫だって」
壱瑠は私の腕をひっぱって私をたたせようとした。
「むっ…ムリだよ私は立つことなんて…」
私はそんな事をつぶやきながら自分の足元を見ると立っていた。
「ほら立ててるだろ」
壱瑠は微笑みながら言った。
「うん…ありがとう壱瑠」
私は今まで夢の中でさえも車椅子に座っていた。
そのせいかしだいに立って歩くと言う事を忘れてしまっていた。
「俺は何もしてねーよ」
壱瑠は少し恥ずかしそうに私に優しく微笑んだ。
「ううん…こうやって立たせてくれたし…手紙も拾ってくれたでしょ今までは誰も拾わなかったなのに壱瑠は拾ってくれた…それだけで嬉しかった」
私は壱瑠に微笑んで言った。
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