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「うわっと!?」
カタパルトのハッチが壊れたせいか、カタパルトの空気が漏れ章が宇宙空間へ放出される空気の流れに曝される。
「あぶないあぶない!」
章が落下防止の鉄格子に捕まりながら、迷い込んでいるであろう非戦闘員を探す。
「助けてーっ!」
「!」
章が慌てながら鉄格子を乗り越えて、下に飛び降りた。
「つかまれ!」
章が手を懸命に伸ばした。
「っ!?」
「よし!捕まってて!」
章が宇宙空間放出さ寸前だった女性をガッチリと抱きしめ、そのまま床を蹴って先ほどいた鉄格子の辺りまで戻る。
「ぐぐぐ!」
だが空間の流れは章を次第に失速させていき、カタパルト内部にある固定されていないものすべてを放出せんとするかのようだ。
「あと、すこ・・・し!」
章が必死に手を伸ばしてようやく鉄格子を掴んだ!
「やった!」
章が急いで鉄格子の内側に入り、非常用のカタパルトハッチの手動閉鎖装置を押してなんとかこれ以上のエア漏れを防いだ。
「ふー・・・今回ばかりは長い手に産んでくれた親に感謝だなぁ」
章がホッとしたように呟いて立ち上がった。
相変わらず重力はないもののエア漏れがなくなっただけで、だいぶ立つのが楽に感じられた。
「大丈夫か?君」
「あ、ありがとう」
「ここは危険だから、早く避難場所に行かないと!」
章がそう言うと、彼女の手を取り入り口に向かう。
「しまった、非常用シャッターが閉められたか!?」
章がすでにシャッターが閉められた入り口を見た。
「ど、どうするの!?」
「とりあえず・・・カタパルトスタッフの事務所があるから、そこに移動しよう!非常用の物質もあるしついて来て!」
「は、はい!」
章に言われるがまま、彼女がその後に従った。
しばらく歩いた章はそのまま事務室のドアをあけて、ようやく落ち着ける部屋に入った。
「まぁ、カタパルトよりは安全かな」
章がそう言うと、ホッとしたせいか彼の喉は渇きを覚えていた。
「喉が渇いたな・・・たしか・・・あった!」
章が非常用の飲料水を見つけた。
「えっと・・・」
「助けてくれてありがとう、私は屯朋高校の生徒、浅破瓜那といいます」
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