始まりの桜が咲いています。

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ドンドンドンドン! 「うわぁ」 いきなり、部屋のドアを叩かれてハッと目が覚めた。 どうやら漫画を読んでいる内にウトウトと寝てしまっていたようだ。 目を擦りながら、ドアを開けた。 そこに立っていたのは一つ下の中学三年生の弟の准(じゅん)だった。 ちなみに野球部に所属している。 「姉ちゃん、コロの散歩に行けって、お母さんが言っとるけん」 ちなみにコロは我が家の愛犬である。今年の一月にやって来た。 種類はミニチュアダックスフントの一歳。 「えーーー今日は疲れてるけん、准が行ってや」 「はぁ、姉ちゃんが世話をするけんって言ったけん飼ったんやろ」 「でも……」 「でもじゃねぇ。コロの散歩行けよ」 リードを私に渡して、准は自分の部屋に戻って行った。 「はぁ……」 一つため息をついて、動きやすいようにカワイイデザインの水色のジャージに着替えて私は部屋を出た。
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