始まりの桜が咲いています。

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『許さん』って……そんなに悪い事した? ふと冷静な自分が出てきた。 あまりに理不尽な答えに、納得がいかない。 ちょっとだけコロが飛び掛かっただけじゃない。 なんか恐怖とムカつきが入り混じった変な感情が今度は芽生えてきた。 とにかくコロをこの男の人の手から取り上げなければならない。 そんな風に思っていた時、男の人がさっきとは違う声色を出してきた。 「ビビったでしょ?」 ビビった……? あれっ、この声はどこかで聞き覚えがある。 凄く身近にいる人物の声に似ている。 私は下げていた頭を上げて、その男の人を見た。 「あーーーーー!」 私は思わず大きな声を出してしまった。
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