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「笑うな!」
「はいはい、もう笑わんけん」
顔中をコロに舐められていたようで、べとべとに濡れている航輝は抱き抱えていたコロを私に渡した。
あまりよだれは気にしていないようだ。
「相変わらず元気というかやんちゃやな、コロは。誰に似たんやろな」
あからさまに航輝は私を見て言った。
しかも目を細めて、嫌味たっぷりに。
ピピピッ!
遂にムカつきパラメータがMAXに達した。
「一発、殴らせて」
「はっ」
バコーン!
「イテーーー!」
私は有無言わさずに、航輝の頭をおもいっきり力を込めて、一発殴った。
よほど痛かったのか航輝は頭を大袈裟に摩っている。
少し力を入れすぎたかもしれない。
だけど、あんなに私を恐怖に陥れた報(むく)いだ。
「私をビビらせた罰やけん」
「ごめん、ごめん」
笑いながら航輝は謝っている。しかし、反省の色はこれっぽちもなさそうだ。
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