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「それはそうやろ、高校生になるんやけん『女子高生』って呼ばれるけん」
「もう分かってないなぁ、青柳 彩夏は」
腕を組んで、小春は仁王立ちで言った。
「はい?」
小春は何が言いたいんだ?
それに何故フルネームで呼んだんだ?
「鈍いですなぁ、彩夏は。なんか大人に近づいている感じがするやん『女子高生』の響きが」
小春は身振り手振りをしながら、熱弁を奮っている。
私は少し呆気にとられつつも、少し大人に近づいているというのは分かる気がした。
「とにかく、めちゃくちゃワクワクするけん。じゃあ、高校まで走るぞ!」
「えっ」
小春は私の手を掴んで、いきなり走り始めた。
「ちょっちょっと」
そんな感じで高校生活が幕を明けた。
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