始まりの桜が咲いています。

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「彩夏、何見てんの?」 「別になんでもない、帰ろう」 私と小春は教室を出た。 「彩夏、小春」 教室の前で赤石 秋花が待っていた。 「もしかして、廊下で待っててくれたん?」 秋花は小さく頷いた。 「教室に入ってきても、かまんかったのに」 ※かまんかったのに=良かったのに。 「うーん、なんか自分の教室じゃなかったら、入りづらくて」 「そうかな」 小春は首を傾げながら言った。 「でも、真面目な秋花らしいやん。堂々と他のクラスに入って騒ぐ誰かさんとは違うやん」 「誰かさんって誰よ」 膨れっ面で小春が私を見た。 その表情で分かってるやん、自分の事を言われてるって。なんて突っ込まないけど。
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