壱ノ話「すべては突然に」

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?「……さい」 女性の声が聞こえる。 しかし何を言っているかは ?「起きなさい」 だんだんと声がハッキリとしてくる。 起きようと身体を動かしてみるがピクリとも動かない。 晴斗「(あ、あれ?起き上がれない?)」 ?「あら?起きてはいるみたいね。安心しなさい食べたりはしないわ」 晴斗「(何を言っているんだ?そんな事よりここはどこなんだ?)」 眼すら開けられない。 暗いのは平気な方だが、これは恐怖を感じる。 ?「ここはあなたの生と死の狭間…怪我の痛みがないのはそのせいよ」 何を言っているのか、まるでわからない。 晴斗「(俺は死んだって事か?)」 ?「いいえ、それはあなたが決める事…あなたは生きたい?」 生きたいかどうかと聞かれたら… 晴斗「(生きたい)」 ?「今までの生活ができなくても?」 晴斗「(かまわない)」 ?「質問を変えるは、たとえ人間でなくなってもあなたは生きたい?」 晴斗「(……)」 迷う…人間でなくなった自分はどうなってしまうんだろう。 どうしようもなく恐いだけど… ―生きたい― 死ぬよりましだ。 何よりどうせ夢だ。 答えは決まった。 晴斗「(それでも俺は生きたい)」 ?「そう…なら、あなたを幻想郷に迎え入れましょう…ただし次あなたが目覚めた時、あなたは普通の人間ではないから注意しなさい」 そして落下している感覚に陥る。 紫「私の名前は八雲紫…また会いましょう」 その言葉を最後に意識は途切れた。
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