弍ノ話「ようこそ幻想郷へ」

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額に濡れた何かが置かれる。 感触からしてタオルか何かだろう。 ??「なかなか起きないな…怪我はとっくに治ったみたいだけど…まぁ無理に起こすことはないか」 また女性の声がする。 完全に目が覚めたので眼を開ける。 そこは森ではなく、和風な部屋だった。 ??「おっ!目が覚めたみたいだ。良かったよ」 目の前にいたのは修道服みたいな服を着た女性だった。 晴斗「……ここは?」 ??「ここは命蓮寺だよ。あんたも妖怪の端くれなら知ってるだろ?」 命蓮寺?聞いた事のない寺…ん?今この人なんて言った? 聞き間違いならいいんだが… 晴斗「すまん…今なんて言った?」 ??「ん?命蓮寺って言ったが?」 晴斗「違う、その後」 ??「……妖怪の端くれならか?」 晴斗「よう…かい?」 再度聞いて…確信ができた。 さっきまで見ていた夢…あれは夢じゃない 妖怪と聞いて慌てるのが普通だろうが落ち着いていられるのは夢のおかげなのは間違いないだろう。 晴斗「ここはもしかして幻想郷って所か?」 ??「そうだよ…てかあんた、なんか変だね?大丈夫かい?」 晴斗「現実を見ようと必死なんだ」 ??「現実ね…」 彼女もなんだか混乱してる様子だった。 ??「ふふ、彼がわからないのは無理ないわ」 襖の向こうから声がかかる。 ??「姐さん…どういうことです?」 姐さんと呼ばれた女性が入ってくる。 これまた美人だった。 おっとりとした顔つきだがどこかカリスマ性を感じられる。 白蓮「自己紹介をしてませんね。私は聖白蓮、こちらは雲居一輪です」 晴斗「俺は希空晴斗(きそらせいと)だ。助けてくれたみたいだな改めて礼を言う」 白蓮「ご丁寧に…でもあなたを助けたのは一輪ですよ」 くすくすと笑いながら言う 一輪は特に反応も見せずに答える。 一輪「私達は種族も分け隔てなく助けるのがあたりまえでしょう。私は当然のことをしたまでですよ」 白蓮「あら、ずっと付きっきりで看病してましたよね?」 一輪「そ、それは私が拾ってきたのだから最後までめんどうをみないと………って、今はどうでもいいでしょう!今大事なのは希空のことでしょう」 怒りぎみで顔が赤くなっている。 白蓮「今はいいでしょう。後で聞きます。じゃあ晴斗さんあなたの事についてお話しますからよく聞いてください」
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