ひとりの蛙

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臆病な子供の蛙はまた逃げました。 通算三度目になります。 逃げて逃げて、まだ逃げて、どこまでも逃げました。 夜。 臆病な子供の蛙は泣きました。 親兄弟を失ったことに。 一人ぼっちになってしまったことに。 何も出来なかった自分への罪悪感に。 泣いて泣いて、まだ泣いて、いつまでも泣きました。 どれほどの時が流れたでしょうか。 ようやく泣き止んで、臆病な子供の蛙は決意します。 いつか必ず皆の仇を討つ、と。
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