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それを観ていた賢しい蛙は思いました。
もっと力がいる。
体力も、登るための技術力も、登りやすい部分を見極める力がいる。
それから一年後、賢しい蛙はあっという間に壁を登り上げました。
賢しい蛙は思いました。
これが外の世界。
何と広く、何と美しく、何と素晴らしいのだ。
井戸の縁で感慨に耽っていた賢しい蛙でしたが、あっという間に消えてしまいました。
丁度、蛇が通りかかり賢しい蛙を食べてしまったのです。
それを下から観ていた最後の蛙は思いました。
外の世界は危険が在るのだ、と。
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