願い星の奇跡

始まりの日

「平岡コーチ。コーチにお電話が…」

「はぁ？誰から？」

機嫌の悪そうな声で、言ってくる。

「あの…誰かは聞いてないです。」

私が恐る恐る答えると、大きく舌打ちをした。

苦手だ。

いつも無愛想で無口で、笑顔を見せない人。

そんな彼を苦手とする人は多かった。

－もっと他に言い方があるのに…－

言えない言葉を思い浮かべながら、電話のあるフロントへ戻った。