46人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
「冗談じゃねぇぞ……いくらなんでも、こんなに相手に出来っかよっ!」
「兄さんのせいだ兄さんのせいだ兄さんのせいだぁっ!」
再び悲鳴を上げ、脱兎の如く駆け出す二人。
その後を、津波のように機械兵器が追いかけて行く。
技術体系が大きく『魔導』に傾いている現在。
こうして遺跡に潜り、その中で機械文明の遺産を持ち出す人間達を盗掘屋と呼ぶ。
鋼と空の二人もまた、人から依頼を受けて遺跡に潜り、どんなに攻略難度の高い機械遺跡でも完璧に踏破する凄腕の盗掘屋――の、はずなのだが……。
「うおおおお、来た来た来た来た来たぁ!」
「ふざけてないでなんとかし……ああ、行き止まり!」
今は、ちょっぴりピンチだったりする。
「「ひいいいいいいいいいいいいいいいっ!」」
二人の悲鳴が綺麗に被さり、遺跡の空気を隅々まで震わせた。
最初のコメントを投稿しよう!