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「そこまでして……命までかけて得る価値はあるの?」
フィルシーの問いに答えたのはメイトューレだった。
「召喚したもんによるだろ?……もしかしたら何かを使役することに優越感を抱く事を求めてるのかもな」
吐き捨てるようにメイトューレは言う。
「その証拠かどうかはわからないが、召喚希望者は帝国人と共和国人だけだ」
彼女に言われてレルトとフィルシーは気付く。
確かにメルティオ人はいない。
その理由はメルティオの国風にある。
メルティオはイルジルタ人や魔女など様々な人種や種族と交流がある。
これらの交流は全てメルティオが受け身になっている。
さらにはちゃんとお互いが有益になるような約束をしている。
イルジルタ人とは、王国内での生活を保護の見返りに国を命をかけて守ることを。
魔女とは、保護とテクノルーツなどの開発費の援助の見返りに、魔女の持つ技術を王国だけのものにすることを約束する。
簡単に言えば、対等な立場での共存がメルティオの指針であり常識なのだ。
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