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我ながら強引な結論だと思うが、別に誰かが困る訳でも無いのでよしとする。
「次のカイン君で最後だね」
フィルシーがカインと言った途端、レルトは露骨に嫌そうな顔をする。
授業は寝てサボる、人を上から視線で評価したり、自分が気に入らない事があると直ぐに暴力に走るカイン。
そんな彼は、レルトにとっては嫌悪の塊でしかない。
「レルト、あからさまに嫌な顔するなよ」
メイトューレに注意され慌てて表情を元に戻したレルトは、カインが魔法陣に何か細工をするのを見た。
時間にして1秒にも満たないが、ミドルサポーターとして鍛えられた観察力を持つレルトは確かに捕らえていた。
直ぐに中止する旨を教師に伝えようとするが遅すぎた。
カインは魔法陣を起動していた。
瞬間、強烈な光が発生する。
目を閉じても瞼の裏を焼く様な白銀の光だ。
それも数秒のこと。光が収まると、魔法陣の中央に女性が1人立っていた。
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