第7章 新入生強化合宿訓練

30/39
前へ
/227ページ
次へ
「レルト、カインの奴が契約に成功すると思うか?」 メイトューレが静かにレルトに尋ねる。 「無理だね」 レルトは即答する。 「考えてみて。人に仕える事は天上人の最大の侮辱であり、重罪人に執行する罰だよ?メリットのメの文字も無いよ」 彼の言う通り、白銀の天上人は今までの精霊やケルベロスの様に友好的ではない。 「契約するだと?ほざけ。それに勝手に呼び出しておいて随分と偉そうな態度だな?礼儀を知らぬか?」 白銀の天上人はカインを威圧する。 教師達は怯んでいた。軍人として訓練されているにもかかわらずだ。 彼女は教師達を一瞥して続ける。 「聞こうか?人間よ。我が貴様と契約し何を得る?」 カインは少し考え、 「俺の魔力だ」 と答えた。すると白銀の天上人は鼻で笑う。 「貴様の様な泥水の様な魔力で我が得するとでも?」 天上人の人間にあたる魔力はマナと呼ばれている。 彼女の表現を借りるなら魔力が泥水、マナはろ過を重ねた天然水だ。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1351人が本棚に入れています
本棚に追加