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「レルト、カインの奴が契約に成功すると思うか?」
メイトューレが静かにレルトに尋ねる。
「無理だね」
レルトは即答する。
「考えてみて。人に仕える事は天上人の最大の侮辱であり、重罪人に執行する罰だよ?メリットのメの文字も無いよ」
彼の言う通り、白銀の天上人は今までの精霊やケルベロスの様に友好的ではない。
「契約するだと?ほざけ。それに勝手に呼び出しておいて随分と偉そうな態度だな?礼儀を知らぬか?」
白銀の天上人はカインを威圧する。
教師達は怯んでいた。軍人として訓練されているにもかかわらずだ。
彼女は教師達を一瞥して続ける。
「聞こうか?人間よ。我が貴様と契約し何を得る?」
カインは少し考え、
「俺の魔力だ」
と答えた。すると白銀の天上人は鼻で笑う。
「貴様の様な泥水の様な魔力で我が得するとでも?」
天上人の人間にあたる魔力はマナと呼ばれている。
彼女の表現を借りるなら魔力が泥水、マナはろ過を重ねた天然水だ。
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