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「俺の本気を知られる訳にはいかないからな。こうさせて貰った。……来い、血桜」
カインは自分の魔武器を呼び出す。
刀と呼ばれる剣で刀身は紅い。
血桜を構えたカインは一瞬で白銀の天上人の背後に回り込み、その首元に向け血桜を振る。
だが彼女は振り返ることなく、血桜を人差し指と中指で挟み込み、ピタリと止めてしまう。
「人間にしては速く、力強い。だが我の前では無力よ」
白銀の天上人はそう言うと、手首のスナップだけで血桜ごとカインをまるで小石の様に投げ飛ばす。
彼は勢い良く地面に叩きつけられたものの、直ぐに立ち上がる。
「そう言えばお前は何と言う種族だ?」
「我か?我は天上人だ」
「天上人?聞いた事無いな」
「当たり前の事よ。我を知る人間はほとんどおらぬ。……それより貴様、先から手応えが無いぞ?せっかくの余興だ。もっと楽しませろ」
白銀の天上人がつまらなさそうに言うと、カインは魔力封じの指を1つ外した。
途端、おびただしい程の魔力が体外に放出される。
「これで満足か?」
カインは凄まじい殺気を出しながら言う。
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