第7章 新入生強化合宿訓練

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「ふっ……愚かなことよ。人間程度の殺気で我が怯むとでも?それに、自らの器に収まりきらぬ魔力など、いくら量が多くとも張り子の虎でしかないぞ?」 切れ長の目を細め白銀の天上人は言う。 「言ってろ」 気丈にカインは言い返すが内心では驚いていた。 殺気と膨大な魔力でこちらの圧倒的な力を見せつけようとしたのに、あの天上人は涼しい顔をしている。 「浄化の炎、己の使命を思い出し、この世の邪悪を清めよ。……クリーネスクリムゾン!!」 カインは燃え盛る巨大な炎の球を白銀の天上人の頭上に形成、一気に落とす。 変換目的の難しさから最上級魔法に分類されるこの魔法。 難しい分威力もトップクラスだ。 勿論、軍用魔法を最近習い始めた学生が使える魔法では無いのだが、カインはある理由のため使えるのだ。 「やれやれ……」 頭上に炎の球が迫っているにも関わらず、白銀の天上人は小さく首を振る。 「肝っ玉だけは一流だが、その他は話にもならん」 彼女は右手を天にかざすと彼女の背中から、白銀の美しい光の羽根が4対現れた。 「いい加減、己の力を知れ!下賎の者が!!」
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