第7章 新入生強化合宿訓練

34/39
前へ
/227ページ
次へ
白銀の天上人が叫ぶと、彼女の頭上に迫っていた炎が蝋燭の火のように消える。 「なっ!?嘘だろ!?」 カインが信じられないとばかりに声を荒げた。 「わざわざ詠唱までして完璧に仕上げた俺の最上級魔法だぞ!?」 「言ったであろう?己の非力さを知れと」 白銀の羽根を見せ付ける様に開く天上人は、右手を降ろしカインに向ける。 それを見てカインは血桜を構え、再び白銀の天上人を間合いに捕らえようとするが 「身の程を弁えろ!!」 白銀の天上人の凛と響く声と同時に、見えない何かが彼を押さえ付け失速。無様に地に伏せる。 起き上がろうとしてもピクリとも動く事が出来ない。 「いい様だ。その姿を晒すが良い」 カインが展開していたダークカーテンが強制的に解除される。 途端、どよめきと悲鳴が混じった声が周囲を支配する。 「さて……人間でありながら我に盾突いた貴様の運命……どうなるかわかるよな?」 白銀の天上人がゆっくりと地に伏すカインに近づいて行く。 この先、最悪の事態を予測した、ハゼル達教師がそれを止めるべく走り出す。 だがまるで嘲笑うかの様に白銀の天上人は右手をゆっくりとカインに向ける。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1351人が本棚に入れています
本棚に追加