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そんな2人をレルトは離れた場所から見ている。
どうやら、あの白銀の天上人はアネルートフィアの知り合いのようだ。
(レルト、こちらに来い)
彼の頭に、アネルートフィアからの呼び出しが響いた。
「アネルが呼んでるから行ってくるね」
フィルシーとメイトューレに告げて、レルトはアネルートフィアの元にむかう。
「ふむ。貴様がアネルの仕え人か?」
到着するなり白銀の天上人が、値踏みするかのような視線と共にそう尋ねた。
「えっ……あっ、はい。レルト・ナイバートです」
レルトがそう名乗り一礼すると、アネルートフィアが彼を胸に引き寄せ抱きしめる。
「アネル……みんなの前では止めてって言ってるでしょ?」
「良いではないか、少しぐらい」
久しぶりに見るアネルートフィアの明るい顔にホッとしつつも、彼女の抱擁から逃げるための抵抗をする。
「……心外だ……。私以外にアネルと呼ぶやつがいるとは……」
白銀の天上人は先程よりも驚いた顔をしていた。
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