1351人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの……アネル?この方は?」
抵抗を諦めたレルトは言葉を選びながら尋ねた。
答えたのはアネルートフィアではなく、白銀の天上人だった。
「我はユーフィクエント・レキ・ダレシアメント。天上界十二柱の第一柱であり、アネルとはこの世で唯一無二の親友だ」
レルトは驚愕する。天上界十二柱の第一柱。すなわち、天上人の頂点。
ユーフィクエントは、こちらがゾッとするほどの眼光でレルトを睨み、
「親友であるが故に、我はアネルートフィアにアネルと言う愛称をつけ呼んでおる。貴様はなぜアネルと呼んでいるのだ?」
と、あの底冷えするような声で問いかけた。
普段から天上人の威圧感に慣れていたおかげで怯みはしなかったが、レルトは嫌な汗を背中に感じる。
「ユーフィ、私の息子を虐めるでない」
そんなレルトを庇うように、アネルートフィアは言う。
「息子……だと……?」
ユーフィクエントの美しい顔が驚きを表した。
最初のコメントを投稿しよう!