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第2演習場は平地がメインの演習場だ。所々に低い木があるだけで見通しはいい。
「ナイバート、君に任せた」
メルティオ軍の作戦指揮所――つまり旗がある本陣にて、戦略科の生徒がレルトの肩を叩いた。
「あの……僕は兵卒だよ?任せたと言われても……」
「わかってる。お前に任せたいのは部隊編成だ」
レルトに戦略科生徒はそう言う。確かに、部隊編成に関してならレルトの方が上だろう。
「了解したよ。僕達は戦闘科が112人、およそ大隊規模だね。大隊における小隊規模の連携なんて、訓練無しになんか出来ないから大隊を小隊として扱うよ」
メルティオにおける大隊は6人編成の小隊が18個で成り立ち、それぞれの小隊が連携して戦うのだが、それには訓練が必要である。
「戦い方が確立してない今は、ポジションも決めない方がいいね。大まかに前衛と後衛、それとここの防衛に分けよう。それから皆にはデータフレームのデータ共有をしてもらいたいな」
「データフレームって、あの生活魔法の?」
1人の生徒がレルトに尋ねた。
「うん。メルティオでは軍でも使われているよ。生活魔法だから扱い易いからね。軍人はこれで敵の位置や作戦内容を共有するんだ。データリンクと呼ばれてる」
レルトは努めて明るく振る舞う。少しでもみんなの緊張をほぐすためだ
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