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やがて、敵が視認出来るほど接近する。
陣形もくそもない、総当たりと言った感じだ。
すでに敵は使い魔を召喚している。その中で帝国陣営に一際目立つ存在。ケルベロスだ。
その巨体故に、3つの頭を持つ黒い犬は見る者を圧倒する。
そのケルベロスが中央の頭の口を開いた。
「っ!!防御魔法を!!」
誰かが悲鳴の様な叫び声を出し、後衛の防御担当が防御魔法を発動。
それと同じくして、ケルベロスから巨大な火の球が発射される。
それはメルティオ側の防御魔法を次々に紙の様に突き破る。
幾重にも重ねた防御魔法はあっさりと破れ、最後の魔法もいとも簡単に破壊された。
「ふん。躾のなっておらぬ犬だな」
火の球がメルティオ生徒に当たる寸前にアネルートフィアがその間に割り込み、右手を振り上げるとマゼンタの鎖で編みこまれた壁が出現。
それに激突した火の球は、鎖の壁を突破出来ず霧散する。
「行け、戒め鎖」
アネルートフィアの掛け声に反応して、壁は解けて無数の鎖になり敵の使い魔に襲い掛かる。
天上人は何か1つの魔法を独自開発してそれを極める。
鎖をモチーフにした“戒め鎖”がアネルートフィアの魔法である。
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