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その先には大勢の敵兵。1人が相手にする数ではない。
一見、無謀に思えるメイトューレの単騎突撃だがちゃんとした理由がある。
まずメイトューレの速さに着いてこれる人がいない。
次に勝利条件が旗の破壊及び奪取であり、敵の殲滅ではないこと。
最後に敵の動きを制限するためだ。
全方位を囲まれたメイトューレだが、あまりにも密集しすぎた敵は同士討ちを恐れ魔法が使えない。
つまり強制的に魔法が余り使えないと言うメイトューレと同じ土俵で戦う事になる。
対してメイトューレは敵しかいないため、思う存分に攻撃出来るし、近接戦闘ではこちらに分がある。
「怪我したくないなら引っ込んでやがれ!!」
メイトューレは叫び小刀を投擲して左右から迫っていた敵を牽制して、正面のレイピアによる刺突を半身になりやり過ごす。
そしてレイピアの持ち主が腕を戻すよりも先にその腕を右手で掴み、握力だけで骨を砕く。
相手が激痛に悲鳴を上げる。
しかしこの攻防で走り続けていたメイトューレの動きが止まった。
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