第8章 新入生強化合宿訓練2日目

18/40
前へ
/227ページ
次へ
その隙を逃さず敵は左右後ろから襲い掛かる。 だがメイトューレが慌てることない。 右手で掴んだままの生徒を右側に投げ飛ばし、右側の安全を確保。 それと同じくして左手を強化して、左側から迫っていた敵の剣の腹を殴りつける。 イルジルタ人の常識はずれの力に、魔法の強化が加わった拳により剣は半ばから折れ、敵を無力化。 左右の憂いが無くなった所で、左足を後ろに振り上げブーツの踵――つまり鉄の部分で背後から迫る敵の顎を蹴り上げ吹き飛ばす。 「イルジルタ人を舐めるな!!」 メイトューレは進撃を再開した。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「メイ、さすがだね」 レルトはそう呟く。 データフレームには敵陣を切り裂く様に進むメイトューレが表示されている。 姿は見えないが敵を表す赤点の中を、味方を示す青点が進んでいるのだから間違いない。 「僕らも負けてられないね」 レルトは自分を奮い立たせ、宙にフォニア文字を1つ書く。
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1351人が本棚に入れています
本棚に追加