第8章 新入生強化合宿訓練2日目

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意味は衝撃、発動する魔法は生活魔法インパクト。 護身用の魔法であり威力は通常で打撲程度、最大で骨にひびを入れる程度と戦闘に使うには火力不足だ。 だがレルトの目的は敵の殺傷ではない。 前線で闘っている味方を援護するのがレルトの目的だ。 インパクトは合計4発。それは味方の死角から踊り出た敵の脚部に2発、また違う場所で味方の攻撃を防御しようとしている敵の顔面に1発、剣を振り下ろそうとする敵の腕部に1発。 不意の衝撃に体勢を崩した敵に隙が生じ、味方はそれを逃さず確実に仕留める。 「レルト、助かったぜ」 援護を受けた生徒がレルトに通信を寄越した。 「どういたしまして。僕が可能な限り援護するからね」 以前、アネルートフィアが言っていたレルトの最強の意味。 最も強い人ではなく、部隊を最も強くする人。 つまり、味方に発生する障害を取り除き、こちらが有利な環境を人工的に作り出す。 これはレルト・ナイバートが、子供でありながらも戦場で生き抜き、味方の勝利に貢献した戦闘スタイルである。
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