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目的地までの最短ルートはデータフレームが表示してくれている。
それに従い戦場を駆け抜ける。
後少しで到着と言う時、突然敵が目の前に出現した。
「ひっ……」
生きた心地がしない。自分は丸腰で、相手は剣で武装済み。
いや、武器を持っていたとしても、素人ながらも訓練を受けている戦闘科の生徒に勝てるとは思わない。
だからフィルシーは逃げる。震える足を叱責し、相手の懐に飛び込むように。
こうしたのには理由がある。フィルシーの頭にはメイトューレの言葉が再生される。
(いいか、フィルシー。剣を持った敵と真正面から接敵した時は相手に突っ込め。決して後ろに下がるな)
始めはどうして敵の間合いに自分から入るのかわからなかった。だからメイトューレに質問した所、
(誤解されがちだが、剣の間合いは刃の部分じゃ無いんだ。切っ先から少し下の部分が剣の間合いだ。それより内側じゃたいしたダメージにはならない。魔武器で無い限り、だがな)
と答えられた。
そのあと何度かメイトューレに稽古をつけて貰ったため、勝手に体が反応して敵に飛び込んだのだ。
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