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そのお陰で上段から振り下ろされた剣は、柄の部分近くが肩に当たるだけで済んだ。
さらに肩には服の下に、薄めの装甲板が仕込んでいるため怪我は無い。
「よしっ!!」
初撃をやり過ごしたフィルシーは歓喜の声を上げるも油断はしない。何しろ状況は変わっていないのだから。
「早く行け!」
不意にそんな声がしたと思ったら、味方が1人フィルシーに気付き駆け付けてくれた。
「ありがとうございます!御武運を」
フィルシーは礼を述べてから素早く離脱。負傷者の元に急ぐ。
「フィルシー、こっち!」
目的地ではレルトが負傷者と共にいた。
「お待たせです!」
フィルシーは傷を診る。
大きな傷口だが致命傷ではない。さらには懸念される大量出血もレルトがしたのであろう、止血の処置がとられているため大丈夫そうだ。
そう診断した彼女は、ポケットから黒、赤、黄、緑の順で4色に塗りわけされている紙を、緑の部分だけちぎって、付属しているリボンで負傷者の腕に縛り付けた。
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